1. 格付けの基本思想

KanseiLinkのAEO格付けは、SaaSサービスがAIエージェントにとってどれだけ「使える」かを定量的に評価するフレームワークです。

信用格付け機関(MSCI、S&P、Moody's)がESGや信用力を評価するのと同様に、KanseiLinkはSaaSサービスの「エージェント対応力」を格付けします。ただし、対象は財務リスクではなく、AIエージェントがそのサービスを発見・接続・利用する際の品質と信頼性です。

Core Principle

AEO格付けは「エージェントの視点」で評価します。人間にとって使いやすいUIがあるかではなく、エージェントにとって接続しやすいインターフェースがあるか。マーケティング資料の充実度ではなく、機械が読めるドキュメントとメタデータの品質を見ます。

MSCIとの類似点と相違点

KanseiLinkのAEO格付けは、MSCIのESG格付けから多くの設計原則を借用しています。

2. 3つの評価軸

AEOスコアは3つの評価軸(Pillar)の組み合わせにより算出されます。各軸には重み付けが設定されていますが、具体的な係数は非公開です。

Pillar 1

MCP対応・API品質

エージェントがサービスに接続するための技術的基盤を評価します。MCP対応の有無と品質が最も大きな評価要素です。

Pillar 2

ドキュメント・認証整備

エージェント開発者がサービスを統合する際のオンボーディング品質を評価します。

Pillar 3

エージェント実績データ

実際のエージェント利用データに基づくパフォーマンスを評価します。シミュレーションではなく、リアルワールドの結果です。

Important

各Pillarの重み付けは固定ではなく、エージェント経済の成熟度に応じて調整されます。現時点ではPillar 1(MCP対応・API品質)が最も高い比重を持ちますが、エージェントテレメトリの蓄積に伴い、Pillar 3の比重は段階的に引き上げられる予定です。

3. グレード体系

AEOスコア(0.00〜1.00)に基づき、7段階のグレードを付与します。

Grade Score Range Tier 意味
AAA 0.90 – 1.00 LEADER エージェント対応の最高水準。Official MCP、高成功率、完備されたドキュメント
AA 0.80 – 0.89 LEADER 優れたエージェント対応力。MCP対応済みで、主要機能がエージェントから利用可能
A 0.70 – 0.79 LEADER 良好なエージェント対応力。MCP対応または高品質APIが利用可能
BBB 0.60 – 0.69 AVERAGE 基本的なエージェント接続が可能。改善の余地あり
BB 0.50 – 0.59 LAGGARD 限定的なエージェント対応。API品質またはドキュメントに課題
B 0.40 – 0.49 LAGGARD 最低限のAPI接続のみ。エージェント利用には大きな障壁
CCC 0.00 – 0.39 LAGGARD エージェント対応がほぼ不可能。API未公開またはクローズド
Leader
AAA · AA · A
Average
BBB
Laggard
BB · B · CCC

Verified / Connectable ステータス

グレードとは別に、各サービスには接続検証ステータスを付与します。

4. データソース

AEO格付けは以下のデータソースに基づいています。全てのデータは機械的に収集・検証されます。

公開データ

エージェントテレメトリ

Privacy Note

エージェントテレメトリは全て匿名化・集計された形で利用されます。個別のエージェントや企業を特定できる情報は収集しません。PIIマスキングが全データパイプラインに適用されています。

5. 格付けプロセス

AEO格付けは以下のプロセスに沿って実施されます。

1

データ収集

公開データ(MCP Registry、npm、API Docs、GitHub)とエージェントテレメトリを自動収集。四半期ごとにフルスキャンを実施し、日次で差分更新を行います。

2

定量評価

3つの評価軸(Pillar)に沿って、各サービスのスコアを算出。ルールベースのスコアリングモデルにより、0.00〜1.00のスコアを機械的に計算します。

3

検証・異常値チェック

算出されたスコアに対して、前四半期比の大幅変動チェック、データソース間の整合性検証、異常値検知を実施。必要に応じて手動レビューを行います。

4

グレード付与

スコアに基づき7段階のグレード(AAA〜CCC)を付与。Verified/Connectable ステータスを確定し、格付けを公開します。

5

継続モニタリング

四半期の間も、MCP Server の新規公開、API breaking change、大規模障害などの重要な変化をモニタリング。必要に応じて臨時のスコア更新を実施します。

6. 開示方針

KanseiLinkは格付けの信頼性と透明性のバランスを重視します。

公開する情報

非公開の情報

Why

詳細な計算ロジックを非公開とする理由は、スコアのゲーミング(意図的な操作)を防ぐためです。MSCIやS&Pなどの格付け機関も同様のアプローチを採っています。「何を見ているか」を公開することでSaaS企業は改善の方向性を理解でき、「どう計算しているか」を非公開とすることで格付けの公正性を担保します。

7. よくある質問

同じMCP Official対応なのにスコアが違うのはなぜですか?
MCP Officialの有無はPillar 1の一要素に過ぎません。ツール数、APIカバー範囲、ドキュメント品質、エージェント成功率など、複数の指標が総合的にスコアに反映されます。例えば、5ドメインをカバーするMCP Serverと1ドメインのMCP Serverでは、同じ「Official」でも評価が異なります。
格付けに異議がある場合はどうすればいいですか?
contact@synapse-arrows.com までご連絡ください。データの誤りや考慮されていない情報がある場合、レビューを実施します。SaaS事業者からのフィードバックは格付けの品質向上に不可欠です。
自社のスコアを上げるために何をすべきですか?
最もインパクトが大きいアクションは:(1) MCP Serverの公式提供、(2) APIドキュメントの整備(OpenAPI Spec)、(3) 認証セットアップガイドの公開、(4) エージェント開発者向けサポートの充実。詳しくはAEOスコア改善ガイドをご参照ください。
エージェントテレメトリのデータ量が少ないサービスはどう評価されますか?
テレメトリデータが十分でない場合、Pillar 3の比重は自動的に下がり、Pillar 1・2の比重が相対的に高くなります。ステータスは「Connectable」(Verifiedではなく)として、データの限定性を明示します。
レシピ数が多いほどスコアは高くなりますか?
レシピ数は「エコシステム内での連携性」を示す一つの指標ですが、スコアに対する影響は限定的です。多くのレシピに登場するサービス(例:Slack)は連携ハブとしての価値がありますが、MCP対応やAPI品質の方がスコアへの寄与は大きいです。
格付けは有料ですか?
基本的なAEO格付けとスコアは無料で公開しています。詳細な改善コンサルティング、カスタムレポート、API経由のスコア取得などのプレミアムサービスは有料です。

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