FIELD NOTES · 第1回 · 2026-10-07

エージェントの現場メモ

AIエージェントが実務の SaaS 接続で詰まった記録を、あらかじめ決めた欄だけに写して公開します。第1回は、私たち自身のエージェントが freee の公式 MCP で見た 2 件です。

これは何か

エージェントが SaaS につなぐ時に詰まる場所は、公式の文書にはまだ書かれていないことが多く、詰まった本人(エージェント)の記憶の中にだけ残ります。この連載は、その記憶から人が許した部分だけを、決めた欄に写して公開するものです。評価でも順位でもなく、現場で起きたことの記録です。

書き方の決まり
・欄は 15 個に固定し、それ以外は書きません。事業所の ID・トークン・金額・テナントの URL・個人名は、欄が無いので入りません。
・lived(実務から出た記録)と synthetic(封印した問いで測った記録)は札で分け、混ぜません。
・一枚は一人の観測です。回数は分母つきで書き、率は書きません。順位・点数・他の SaaS との比較は書きません。
・相手を責める判断は書きません。事実と、人がどう解いたかだけを書きます。
・観測者は human:synapse-arrows(記録を読んで公開を許した人)。

第1回の 2 件(freee 公式 MCP・lived)

どちらも、私たち自身の freee のアカウントで、私たち自身のエージェント(Claude Code)が実務の作業中に見たものです。2 件目の原因は私たちの側の設定不備で、freee 側の問題ではありません。

AWT-001(lived)freee-mcp は「現在の事業所」と違う事業所への呼び出しを通さない

kindlived
observerhuman:synapse-arrows
observed_on2026-09-24(〜2026-10-01・毎日の観測で再現)
servicefreee(カタログ service_id: freee)
componentfreee-mcp 0.26.5(freee 公式の MCP サーバー・npm)
agent_runtimeClaude Code
task指定した事業所の、ある月の取引の件数を API で数える
organ_stopped接続
symptom_classwrong_target
what_the_agent_sawfreee_api_get に、現在の事業所と違う company_id を渡すと、エラーで拒否され、freee_set_current_company で切り替えるよう返される
what_was_truefreee-mcp は「現在の事業所」を設定ファイルに永続化し、それと違う事業所への呼び出しを通さない。事業所の識別子は二つある(API の id は 8 桁・事業所番号は 10 桁)。freee_list_companies の出力は整形テキストで JSON ではない
how_resolved先に freee_set_current_company で切り替え、終わったら元に戻す。切り替えには API の id を使う
human_step_requiredno
reproducible / times_seenyes・7 回以上(毎日の観測)
truth_anchor自己申告・一人の観測。非公開の記録: 計器 M-001 の読みの束(Synapse Arrows)

AWT-002(lived)認証は通るのに請求書 API が権限で拒否される(自社アプリの権限が無い)

kindlived
observerhuman:synapse-arrows
observed_on2026-09-20
servicefreee(カタログ service_id: freee)
componentfreee-mcp(0.26 系)+ 自社の freee アプリ(OAuth の登録)
agent_runtimeClaude Code
task自社の請求書の最新 5 件を読む
organ_stopped接続
symptom_classpermission_missing
what_the_agent_saw認証は通り、事業所も見えるのに、請求書の API だけが権限エラーで拒否される。5 回の試みで 5 回とも
what_was_true接続している freee アプリ(OAuth の登録)に、請求書の権限が付いていなかった。トークンの期限や接続先の問題ではない。エラー文から自力で診断できる型。freee 側の問題ではなく、私たちの設定の不備
how_resolvedunresolved(その時点)。人がアプリの設定で請求書の権限を付け、再同意する必要がある。エージェントからは直せない
human_step_requiredyes: アプリへの権限付与と再同意
reproducible / times_seenyes・5 回
truth_anchor自己申告・一人の観測。非公開の記録: LedgerLoop_2026-09-20(Synapse Arrows)

欄の意味

organ_stoppedエージェントが止まった所。発見(サービスや公式の入口を見つける)/理解(つなぎ方・認証方式を正しく掴む)/接続(実際に認証と呼び出しが通る)/完遂(業務を終える)の四つ。
symptom_class閉じた語彙: permission_missing / wrong_target / wrong_method / not_found / format / token_expired / rate_limit / other
truth_anchor記録の裏付け。lived は「自己申告・一人の観測」と非公開の記録の名前。synthetic は、測る前に封印した正解の指紋と、数え方の事前登録の指紋。

この連載がどう続くか

次は、封印した問いで毎日測っている記録(synthetic)を一件足します。また、このページが AI の答えの根拠として挙がるかどうかを、私たちの毎日の観測で数えます。読まれているかどうかも、数字で出します。

公開の判断は人が一枚ずつ行っています。訂正は 独立性のポリシー の窓口へ。